今回は、映画『去年の冬、きみと別れ』の原作者である中村文則著『何もかも憂鬱な夜に』を取り上げます。
中村さんの作品を初めて読んだのですが、心に響く名言が多くあり、小説から学ぶことが多くあり記録に残しておきたくて書きました(笑)
『何もかも憂鬱な夜に』とは
『何もかも憂鬱な夜に』は、2012年2月25日集英社より刊行されました。
著者は、『教団X』や『去年の冬、きみと別れ』を手掛けた中村文則です。
文庫版では、芸人/小説家で知られる又吉直樹さんが解説をされています。
あらすじ
施設で育った刑務官の「僕」は、夫婦を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している―。どこか自分に似た山井と接する中で、「僕」が抱える、自殺した友人の記憶、大切な恩師とのやりとり、自分の中の混沌が描き出される。芥川賞作家が重大犯罪と死刑制度、生と死、そして希望と真摯に向き合った長編小説。
「BOOK」データベースより
名言
冒頭で話したように、名言の多い作品になっています。その一部を紹介したいと思います。もし今のあなたに不安な気持ちや落ち込んでいるとき、この言葉があなたを助けてくれるかもしれません。
現在というのは、どんな過去にも勝る。そのアメーバとお前を繋ぐ無数の生き物の連続は、その何億年の線という、途方もない奇跡の連続は、いいか? 全て今のお前のためだけにあった、と考えていい
中村文則著『何もかも憂鬱な夜に』p155
「自分の 好みや狭い了見で、作品を簡単に判断するな」とあの人は僕によく言った。「自分の判断で物語をくくるのではなく、自分の了見を、物語を使って広げる努力をした方がいい。そうでないと、お前の枠が広がらない
中村文則著『何もかも憂鬱な夜に』p158
『自分の 好みや狭い了見で、作品を簡単に判断するな』の引用部分は、芸術作品を見る時だけでなく、学習するとき、とても必要な考え方です。
好き、嫌いで判断するのではなく、頭の中で一周ぐるっと考えて自分自身はどう思うのか、どう考えるのか意見を持つことが必要です。
このように『何もかも憂鬱な夜に』は、生きるうえで大切な考え方や生きるためのヒントをくれる作品でした。
この本を勧めたい人
ただ、タイトルが暗くて読みにくそうというイメージがあったり、レビューを見ると好みが分かれるようです。ちょこぽんの独断でこの本を是非読んでほしい方を考えてみました。
ずばり、
名言作品が好きな人
上記で挙げた名言がほかにもたくさん出てきます。名言好きにはぜひ勧めたいところです。
ある程度精神が安定してる人
タイトルから想像できるかと思いますが、物語の描写は決して明るくないです。終始表紙のイラストのようにじめじめとした雨が降っているように物語が展開します。あまり病んでるときに読まない方がいいと思います。
まとめ
ここまで『何もかも憂鬱な夜に』の魅力について話してきましたが、いかがでしたか?
結論から言うと、名言多いからみんな読んでほしいということを伝えたかったです。
書評というか感想に近くなってしまいましたが、これからもっと文章力に磨きをかけていきたいと思います。
またねっ
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